Nature ハイライト
がん:転移部位の選択には腫瘍のエキソソームが関与している
Nature 527, 7578
がん細胞が次に標的とする臓器を選ぶ仕組みはどのようなものなのだろうか。今回D Lydenたちは、腫瘍細胞を起源とする細胞外小胞(エキソソーム)が、標的臓器(肺、肝臓、脳)に特異的な常在細胞に選択的に取り込まれ、転移先の部位を準備することを明らかにした。分子レベルでは、エキソソーム上でのインテグリンタンパク質群の発現の異なる組み合わせによって、この3つの臓器のうちのどれを標的にするかが決まるようである。これらのインテグリンを阻害すると、標的臓器による関連エキソソームの取り込みを減らすことができ、転移の起こる確率も低下した。さらに、エキソソームのインテグリンは、がん患者で臓器特異的転移を予測するのに使用できる可能性がある。
2015年11月19日号の Nature ハイライト
発生:ショウジョウバエでのモルフォゲンによるパターン形成
抗生物質:黄色ブドウ球菌を標的とする新しい手法
がん:転移部位の選択には腫瘍のエキソソームが関与している
構造生物学:InsP3受容体の構造
天文学:形成途中の惑星
素粒子物理学:金を衝突させて反陽子対相関を探る
材料科学:メタンを効率よく貯蔵する媒体
気候科学:海洋低酸素化の熱的なきっかけ
進化学:脊椎動物の神経堤の起源はもっと古い