Nature ハイライト

構造生物学:Gタンパク質、リガンドと受容体が作る複合体の構造

Nature 558, 7711

Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、ヒトゲノム中で最大級の受容体ファミリーを構成しており、シグナル伝達にさまざまな役割を担っている。役割の多様性にもかかわらず、1個の受容体が共役できるGタンパク質の数は限られており、受容体とGタンパク質の結合の決定因子は解明されていない。そのため、この多様なシグナル伝達レパートリーの解明は依然として不十分である。今回、4つの研究グループがGPCRとGタンパク質ヘテロ三量体の複合体について、クライオ(極低温)電子顕微鏡構造を報告している。B Kobilkaたち、E Xuたち、A Christopoulosたちはそれぞれ、μオピオイド受容体、ロドプシン、アデノシンA1受容体について、Giと結合した際の構造を明らかにしている。またC Tateたちのグループは、Goと共役したセロトニン5HT1B受容体の構造を報告している。各グループはそれぞれ独自に、特異的リガンド–受容体–Gタンパク質の相互作用について知見を得ているが、これらを総合することによって、受容体共役の特異性に関する1つの描像が得られ、特定の経路を選択的に標的とすることに向けた研究も期待できそうだ。

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