遺伝学:ヒトパンゲノムの概要参照配列が初めて発表される
First draft of a human pangenome
doi: 10.1038/s41586-023-05896-x
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doi: 10.1038/s41587-021-01195-w
ウエアラブル技術は生理状態のモニタリング能力を向上させるものであり、臨床試験や外来患者だけでなく、健康やウェルネスへの利用も期待される。この技術は、装着可能な最小侵襲性のデバイスによる分析物の高頻度・連続サンプリングを可能にし、病院でしか使えないモニタリング機器の代わりとなる。しかし、サンプリングが容易な部位から、正確な測定値が得られることが分かっている分析物の種類はわずかであり、その大部分は運動選手の激しい身体運動のモニタリングに関係するものであって、一般人や患者に利用されるものではない。皮膚にぴったりフィットして体液を採取し、重要なバイオマーカーを検出するセンサーを、エンジニア、生物情報科学者、臨床医、そして生物学者たちが、開発しようとしている。
ウエアラブルバイオセンサー全般は、いまだ広範な商業的成功を収めてはおらず、臨床判断に組み込まれてもいないが、グルコースなどの分析物の連続的で非侵襲的な測定への期待が、この分野の投資や知的財産(Patent Table参照)、技術開発を持続的に後押ししている(KimらのReview参照)。
糖尿病を抱える人々にとっては、痛みを伴うこともある注射針の頻繁な使用から解放してくれそうなウエアラブルデバイスの実現がこれまでになく近づいている。しかし、1型糖尿病のように生死に関わりかねない状況では、間違いが許される余地はほとんどないが、ヒヤリハットが数多く起こっている。一方、ウエアラブルな連続グルコース濃度測定器は、数種類が市場に出回り、ある程度普及が進んでいるが、技術開発者は汗、涙液、唾液などの採取しやすい体液を引き続き追い求めている(News Feature参照)。
汗と間質液の抽出、マイクロ流体技術、センシング技術、電池寿命、消費電力という諸課題に対する解決策は見いだされつつあるが、その取り扱いやすさを見極めるにはヒトでの試験や臨床試験による検証が必要となる(Kim らのReview参照)。また、デバイスから得られるデータの取り扱い、例えばデータの解析、管理、セキュリティー、プライバシーなどに関して、いくつかの経済的・技術的・文化的課題を克服することも必要になる(Editorial参照)。
汗、唾液、涙液、間質液を利用するウエアラブルデバイスには、共通の大きな課題がある。それは、対象とする生理状態に関する情報を得るには、測定対象の分析物が血中濃度を正確に表すものでなければならないということである。特定のバイオマーカーをその方法で測定することが可能で妥当なのかという点は、食物摂取量、発汗量、測定部位、分析物の輸送など、多くの要因によって決まる(HeikenfeldらのReview参照)。それを判断するには、大規模コホートの研究が有用と考えられる。
ここ数年の間にソフトエレクトロニクスの分野が軌道に乗り、シリコンエレクトロニクスや電子皮膚の微細加工が進歩して、スマートスキンデバイスの設計は急速に改良された。今後、皮膚を刺激せず連続測定することができるようにデバイスを皮膚にフィットさせるには、皮膚の恒常性を理解することが重要になる(染谷と天谷のPerspective参照)。
doi: 10.1038/s41587-019-0109-z
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doi: 10.1038/s41587-019-0088-0
doi: 10.1038/s41587-019-0067-5