Research Press Release
光で物体を持ち上げる
Nature Photonics
2010年12月6日
空気力学的揚力に似たコンセプトで、翼形の屈折性物体を光で持ち上げられることが、Nature Photonics(電子版)に報告される。今回の研究は、液体中での微小粒子輸送の制御を促進させるばかりでなく、星間宇宙旅行用の太陽帆(ソーラーセイル)の設計に役立つことになるかもしれない。
G Swartzlanderらは、上面と底面の形状が異なるマイクロメートルの大きさの物体に、ミリワット規模の均一光線を照射すると、物体は横方向の揚力を受けることを見いだした。圧力差を基にする空気力学的揚力と異なり、光学版の「ライトフォイル(翼形の屈折性物体)」技術は、屈折光線と反射光線の差に起因する屈折圧(refraction pressure)に依存している。
研究者らは、毎秒数マイクロメートルの均一な動きを実現しており、この技術を巨視的領域に展開できると予測している。
doi:10.1038/nphoton.2010.266
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
化学:アルゴリズムは、ウイスキーの最も強い香りと原産地を嗅ぎ分けることができるCommunications Chemistry
-
天文学:月の年齢はより古いNature
-
気候変動:南極の海氷減少が嵐の発生を促すNature
-
天文学:天の川銀河の超大質量ブラックホールの近くに連星系を発見Nature Communications
-
惑星科学:土星の環が若々しい外観を保っている理由Nature Geoscience
-
惑星科学:木星の衛星イオに浅いマグマの海はないNature