Research Press Release
ニューロンを制御するための新たな戦略
Nature Methods
2011年12月8日
ニューロンの活性をin vitroで操作することを可能とする光感受性膜タンパク質の作製法が、Nature Methods(電子版)で発表される。 ニューロンの活性は、光感受性タンパク質およびそれに対応する光刺激を利用することによって制御することができる。基礎研究および将来の遺伝子治療への応用という2つの目的のために、ニューロンを制御する能力が高い新たな光感受性タンパク質の作製を目指して研究が続けられている。 E Bambergたちは、2つの光感受性微生物タンパク質の遺伝子を融合させてハイブリッドタンパク質を作製するタンパク質工学的戦略を開発した。この戦略では、その2つのタンパク質が細胞内で確実に共局在化して均等に発現するため、特定ニューロンの活性化および阻害をまとめて高い精度で行うことができ、脳の機能および挙動に対する影響の研究にメリットがあると考えられる。 Bambergたちは、この方法を利用して、さらに広いスペクトルの光に反応することができる人工的なタンパク質も作製している。「白色」光に反応してニューロンを活性化させることができる光感受性タンパク質が作製されたが、これは、研究が進行中の遺伝子治療による視覚再建の領域から関心を集める可能性がある。こうした新しいタンパク質変異体は、in vivoの動物モデルで試験を行う必要がある。
doi:10.1038/nmeth.1766
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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