Research Press Release

装着可能なPETスキャナー

Nature Methods

2011年3月22日

ラットに装着させられるほど小さな陽電子放射断層撮影装置(PET)を製作して使用したという論文が、Nature Methodsに発表された。PETという核画像化技術では、微量の放射性薬物を注入することにより、全脳の機能の分析が行われる。この技術により、覚醒していて自由に動き回ることができるラットの全脳の画像化が可能となり、齧歯類の脳機能と行動が同時に評価されるようになる。ヒトでは、認知的、薬理的、または環境的な負荷が行動および機能に及ぼす帰結の測定が比較的容易であるが、齧歯類は、麻酔薬、物理的拘束、または麻痺物質によらずに画像化用スキャナーの内部で「おとなしくさせておく」ことができないため、同じ測定を行うのが困難であった。P Vaskaたちは今回、箱の中で自由に動き回るラットに装着させることができる小型のPETスキャナーを製作した。このシステムは、行動データを収集しながらPET画像を得ることを可能にするものであり、異なる薬物が脳に与える影響やラットの性差の研究など、さまざまな実験的課題の枠組みで使用することができる。

doi:10.1038/nmeth.1582

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度