Research Press Release
その場で神経刺激
Nature Materials
2011年10月24日
神経の局所的刺激によって神経線維を通る電気信号の伝搬を妨げる電気化学的方法が、Nature Materials電子版に報告される。この方法だと、望ましくない副作用を最小限にできる。まだカエルを用いた概念実証の段階であるが、これをもとに、いつか、神経を包む柔軟な低電力神経機能代替装置が開発されるかもしれない。
脳卒中や脊髄損傷、神経障害によって麻痺にかかった患者には、機能的電気刺激による罹患運動神経の活性化や、理学療法が行われる。しかし、従来の運動神経刺激は、電流が隣の感覚神経にも影響を及ぼしうるため、痛みをもたすことが多い。J Hanらは、カルシウム、カリウム、ナトリウムのイオン(神経インパルスに関与するイオン)に対して選択的な膜を備えた微細加工電極を用いて、カエルの坐骨神経の興奮性を体外で調節した。局所イオン濃度の電気的調節によって、刺激部位での神経活性化を制御でき、必要に応じて信号伝搬を抑制できる。さらに、神経収縮を誘発する電気閾値を最大で40%減少させることができる。この方法は、最終的に、埋め込み可能な神経機能代替装置に応用される可能性がある。しかし、Hanらは、体内での有効性を検証するため、また哺乳類の神経に応用を広げるため、さらなる研究が必要であると指摘している。
doi:10.1038/nmat3146
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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