Research Press Release
鳥類の翼の3本の指は恐竜の第1-2-3指に由来する
Nature Communications
2011年8月10日
鳥類の翼の指は、第1-2-3指を持つ恐竜から進化したとする学説を裏付ける研究結果が発表される。今回の研究は、鳥類の翼の指が、胚において第2-3-4指の位置から発生したという従来の研究による結論に反している。詳細を報告する論文は、今週、Nature Communicationsに掲載される。
鳥類の翼の解剖学的構造は、三畳紀の獣脚類恐竜の前肢の指に似ている。しかし、どの位置の指が、現生鳥類の翼の指に進化したのかは解明されていない。今回、M Towersたちは、指のパターンの形成過程を明らかにするため、ニワトリの翼の遺伝地図を作製して、軟部組織と軟骨の発生領域を正確に突き止めた。その結果は、第1-2-3指を持つ獣脚類恐竜から鳥類の翼の指が進化したとする学説と一致している。
doi:10.1038/ncomms1437
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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