Research Press Release
住血吸虫ゲノムの塩基配列解読
Nature Genetics
2012年1月16日
一般的な住血吸虫の1つで、住血吸虫症という寄生虫疾患の病原体であるSchistosoma haematobiumのゲノム塩基配列が解読された。その詳細を報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。 ヒト住血吸虫症の病原体には主に3種類のものがあるが、そのうち、泌尿生殖器住血吸虫症とヒト膀胱がんとの関連性が明らかになっているのは、S. haematobiumだけだ。 今回、R Gasserたちは、S. haematobiumの全ゲノム塩基配列解読の結果を報告している。Gasserたちは、腸管住血吸虫症の原因であり、ゲノム塩基配列解読がすでに行われている住血吸虫S. mansoniとS. japonicumとの比較ゲノム解析も行い、これらの住血吸虫種の生活様式の差異を説明しうる特徴を明らかにした。また、Gasserたちは、S. haematobiumのトランスクリプトーム解析も行って、性差のある遺伝子発現プロファイルと特異的役割を卵期から成体期までの生活環にわたって明らかにした。
doi:10.1038/ng.1065
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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