Research Press Release
衝動の抑制
Nature Neuroscience
2012年5月1日
注意欠陥多動性障害(ADHD)と物質乱用はどちらも衝動的な行動に結びつけられているが、青年期では両者にかかわる脳のネットワークが異なることが、Nature Neuroscience誌の研究で報告されている。
Robert Whelanらは約2000人の青年期の若者について、予測不能な「停止」信号に従って運動を止めようとするときの脳の活動をfMRIを用いて調べた。一般に衝動的な人ほどこの課題は難しく、ADHD患者と同様に薬物使用者も「停止」信号に対する応答時間が長くなる。Whelanらによると青年 期の若者は、ADHD症状を伴う人も、薬物やアルコールの使用歴のある人も同じくらい課題をよくこなしたが、薬物やアルコールを青年期初期に使用した十代だけは眼窩前頭皮質として知られる脳領域の中心付近の活動が減っていることがわかった。それに比べて右半球の下前頭皮質という別の領域の 活動は、タバコやアルコールよりも違法薬物の使用により特異的に調節されていた。ここでの活動の変化は違法薬物を使用した頻度と相関しており、この変化が既存の違いから生じたのではなく薬物の反復使用により生じた可能性を示唆する。
この結果は、外見上同じような行動が実際は非常に異なる脳内ネットワークの活動を反映している仕組みを実証している。
doi:10.1038/nn.3092
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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