Research Press Release
化学:燃料電池用の高品質水素
Nature Communications
2012年11月28日
メタノールを水素に変換するための新たな触媒について報告する論文が、今週掲載される。この触媒反応は、比較的低温の160℃で進行し、一酸化炭素の生成量が検出可能レベル以下だった。この触媒は、小型携帯機器に使用する燃料電池の開発に有益なものとなる可能性がある。
将来、固体高分子形燃料電池が、ノートパソコンやタブレットなどのモバイル機器の電源として用いられるようになるという見方が示されている。ところが、水素を燃料として使用する場合には、一酸化炭素を生成させずに水素を製造しておく必要がある。一酸化炭素は燃料電池を痛めるからだ。今回、E Tsangたちは、酸化亜鉛ガリウムに捕獲された銅ナノ粒子でできた触媒を用いた。この触媒は、一酸化炭素分が十分に低い水素を生成でき、さらなる精製なしに燃料電池に直接注入できる可能性がある。
この燃料電池系は、一酸化炭素の濃度が低く、反応温度が低いため、空間と熱の管理がきわめて重要なパーソナル電子機器に最適だ。
doi:10.1038/ncomms2242
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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