Research Press Release
極域の嵐が海洋循環に拍車をかける
Nature Geoscience
2012年12月17日
大西洋最北部における極域の嵐は、ほとんどの気候モデルでは小さすぎ、また短命であるために分析できていないが、北大西洋の逆転循環に大きな影響を及ぼしていることが示された。このような嵐の頻度は地球が温暖化するにつれて減少すると予想されているので、海洋循環は現在の気候モデルで予測されているよりも弱くなる可能性がある。
Alan CondonとIan Renfrewは海洋海氷モデル・シミュレーションで、海洋循環に極嵐がもたらす効果を含めたものと含めないで走らせたモデルとを比較した。彼らは、極嵐の効果を考慮に入れた場合は、北大西洋の主要な循環流路に沿ってより多くの水が輸送されることを示した。彼らは、毎年北大西洋の北部地域を横切る極域の低気圧システムが数千個あるので、その影響は気候予測モデルに考慮される必要があると結論している。
doi:10.1038/ngeo1661
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:大きな鳥は必ずしも鳥頭というわけではないScientific Reports
-
コンピューターサイエンス:AIツールが創造的なビデオゲーム開発を支援Nature
-
生態学:深海の生態系を調査するNature Communications
-
がん:CAR-T療法を受けた患者に長期寛解Nature Medicine
-
素粒子物理学:最高エネルギーのニュートリノが話題を呼ぶNature
-
動物の行動:カメは磁気地図が食べ物に導くと踊るNature