Research Press Release
【材料科学】熱エネルギーも利用する太陽エネルギー変換装置
Nature Communications
2013年3月13日
太陽エネルギー変換装置における電子の放出効率を向上させるための方法が開発された。これは、従来の太陽電池で利用できなかった熱エネルギーを用いる光子増強熱電子放射法による太陽エネルギー変換装置にとっての重要な段階といえる。
ホットキャリア・ハーベスティングは、太陽エネルギーの効率に対する制約を克服するための方法の1つで、光によって加熱された電子が周辺の材料にエネルギーを奪われる前に、この電子を捕捉することができる。ホットキャリア・ハーベスティングの方法として最近考案された光子増強熱電子放射の場合、電子とその基礎にある結晶格子が同じ温度まで加熱されるため、電子がエネルギーを失う前に電子を捕捉する必要がなくなり、電子を有用なエネルギーに変換するための時間的余裕が生まれている。しかし、現在のところ、このプロセスの効率は低すぎ、実用性がない。今回、N Meloshたちは、この問題点に取り組み、2つの半導体から1つの構造体を作り出し、その結果生じた界面によって効率が劇的に向上することを明らかにした。そして、Meloshたちは、この装置の表面に異なるコーティングを用いることで、さらなる向上が可能なことも明らかにした。
doi:10.1038/ncomms2577
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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