Research Press Release
ハイチ地震の歴史
Nature Geoscience
2010年10月25日
大被害を出した2010年ハイチ地震とは異なり、18世紀に起きた前兆的地震は地震に関係している主断層系の近くで地表を破壊したとの報告が寄せられている。これらの観測は、断層系が今でもポルトー・プランス周辺地域に大きな地震危険度を課している可能性があることを示している。
C Prenticeらは、リモートセンシングと野外調査を用いて、2010年1月12日ハイチ地震、あるいはその前兆的地震に関連した地表のずれの分布を求めた。Prenticeらは、おそらく1751年と1770年に同じ断層系で起きた2つの大地震の1つにより地層がずれた9本の線状構造を報告しており、これらの地震が地表を破壊したことを示唆している。
この発見は、過去250年の間に蓄積された歪みのすべてが1月に起きた地震の際に解放されたわけではないことを示している。
doi:10.1038/ngeo991
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
気候変動:南極海の温暖化が熱帯降雨に及ぼす影響Nature Communications
-
農業:家畜における抗生物質の使用量の増加を予測Nature Communications
-
神経科学:麻痺患者のためのリアルタイムで思考を音声に変換する装置の開発Nature Neuroscience
-
健康:アルツハイマー病における認知機能低下のバイオマーカーNature Medicine
-
医学研究:ブタから人間への肝臓移植の評価Nature
-
天文学:宇宙再電離の初期兆候Nature