Research Press Release
植物の成長を細胞ごとに観察する
Nature Methods
2010年6月14日
発生中の植物の細胞を自動的に撮像する方法が、Nature Methods(電子版)に発表される。その方法を用いれば、植物の成長および発生の基礎となる細胞の挙動に関する理解が深まると考えられる。
成長中の生物の特性に細胞の挙動がどう結びつくのかは、生物の発生および成長に関する重要な疑問の1つである。発生の初期に体制がほぼ決定付けられる動物とは異なり、植物は、成長を継続しながら生涯を通じて花や葉などの分化構造を形成する。この過程を理解するためには、数百もしくは数千個にも及ぶ細胞の挙動を経時的に撮像して追跡することが必要である。
C Godinたちは、蛍光染色した植物の共焦点撮像を行い、シロイヌナズナの発生中の花および成長中のイネの根に存在する数百から数千個もの細胞の三次元的な挙動を監視する計算機的方法のパッケージを発表している。そのアルゴリズムは個々の細胞を特定し、わずかに人手を介在させることで、どの細胞が分裂して別のどんな細胞が生じているのかを正しく経時的に追跡することができる。この方法を利用して、Godinたちは、シロイヌナズナの花が成長しているときの細胞の体積および位置を監視した。これにより、植物の成長に関する定量的モデルが構築されると考えられる。
doi:10.1038/nmeth.1472
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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