Research Press Release

RNA結合タンパク質で発生を制御

Nature Immunology

2010年7月12日

細胞でのタンパク質生産を誘導する重要な仕組みの1つが、RNA結合タンパク質(RBP)である。新たな研究によって、免疫系の重要な構成員の1つT細胞の正常な成熟を、RBPが調節する仕組みが初めて明らかにされた。

M Tumerたちは、いくつかのRBPをもたないマウスではT細胞の発生に異常が生じることを明らかにした。そのうえ、これらのRBPがないと悪性度の高い白血病を発症するという。Tumerたちは、これらのRBPの標的が、T細胞の発生の制御にかかわる重要なタンパク質Notch1であることを突き止めた。特異的RBPがNotch1 RNAの要素に結合し、Notch1タンパク質の発現を制御する。これらの知見は、T細胞の発生や悪性転換の防止についての手がかりになる可能性がある。

doi:10.1038/ni.1901

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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