Research Press Release
てんかんにおけるカリウムチャネルの役割
Nature Neuroscience
2010年8月2日
海馬は記憶に関する重要な領域であり、マウスでは海馬にある特定種のカリウムチャネルについて数を減らしたり活性化を抑えたりすると、てんかんの場合と似た複数の脳領域に興奮性亢進が起こる。Nature Neuroscience(電子版)に報告された研究によると、てんかんの一部の病型にみられる興奮性亢進の根拠が説明できるかもしれない。
T Jeglaらは、海馬の錐体神経細胞にあるカリウムチャネルKv12.2の遺伝子をノックアウトしたマウスを作出した。このマウスは錐体神経細胞のランダムな興奮性という徴候を示し、ある種のてんかんでみられる症状と似た発作を自然発症した。野生型マウスのカリウムチャネルを薬剤で薬理学的に遮断しても同じ結果が得られた。これらは予備的な結果にすぎないが、ヒトのある種のてんかんが生じる機構を理解するのに役立つかもしれない。
doi:10.1038/nn.2610
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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