Research Press Release
地表の風速が遅くなっている
Nature Geoscience
2010年10月18日
地面の表面で凹凸が増加することは、近年、北半球で地表近くの風速が低下している原因となっているとの報告が寄せられている。この発見は将来の風力発電に対して示唆を与えるものである。
R Vautardらは、主として北半球で過去30年間の陸上の風速を解析した。彼らは、地表の風速がこの時期に5〜15%減少したことを報告している。モデル・シミュレーションは、(植生の被覆が増加することにより)地表の凸凹が増加すると、北半球中緯度では風を鎮める効果の25〜60%を説明できることを示している。
R Vautardらは、地表の風速が低下し続けると風力発電にとっては大きな損失となるだろうと示唆している。
doi:10.1038/ngeo979
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
ゲノミクス:古代DNAがエジプト人の祖先の謎を解明するNature
-
進化:擬態は見る者の目に依存するNature
-
惑星科学:火星における変動する水の存在量の解明Nature
-
心理学:AIが生成した応答を人間によるものと表示すると共感が高まるNature Human Behaviour
-
加齢:慢性炎症はすべての集団において加齢と関連するとは限らないNature Aging
-
動物学:笑い声を聞いたボノボは、報酬を期待する可能性が高まるScientific Reports