Research Press Release
西南極氷床下のマグマ移動
Nature Geoscience
2013年11月18日
西南極氷床の下の地殻にマグマが移動している可能性があるという報告が、今週オンライン版に掲載される。西南極にはいくつかの火山が存在することが知られているが、現在も活動していると考えられるているものはない。
Amanda Loughらは西南極の高地で得られた地震データを解析した。彼らは、2010年と2011年に西南極氷床の下の深さ25~40キロメートルで起きた2つの群発地震活動を同定した。群発地震活動は活動する火山下でマグマが地殻に移動することで起きる地震に典型的な特徴を示している。この場所における噴火がその上の厚い氷を貫通することはありそうもないが、噴火による熱流が氷床の底を溶かす可能性はある。
関連するNews&Viewsの記事でJohn Behrendtは「この過程は氷床の底の滑りをよくする可能性があり、その上の氷の流れを助け、氷の流路を作り出す可能性がある。これらすべての過程は、西南極の氷損失を加速させる可能性がある」と述べている。
doi:10.1038/ngeo1992
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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