Research Press Release
温度フィードバックが北極温暖化を増幅する
Nature Geoscience
2014年2月3日
地表温暖化の単位当たり放射により宇宙へ戻るエネルギー量に関連したフィードバック効果は、北極が地球の平均よりもずっと早く温暖化していることの主要な理由である。今週のオンライン版に発表されたこの結論は、北極高緯度地方の増幅された温暖化は、海氷や雪が溶けた後の暗い海や地表によって太陽光がより効率よく吸収されることで主に起きるというこれまでの提案とは対照的である。
Felix PithanとThorsten Mauritsenは一連の最先端の気候モデルシミュレーションを解析し、北極地域の増幅された温暖化に対して、これまでに提案された、温度、水蒸気および雲に関連した数多くのフィードバック機構の寄与を定量化した。彼らは、大気の鉛直方向の温度構造、および北極地域では低緯度地域よりも初期表面温度が低いことと関連した温度フィードバックが北極域での増幅された温暖化に最も大きい寄与をしていることを発見した。氷と雪が溶けることの結果として地表の反射率が変化することは、二番目に大きい要因であることが分かった。
doi:10.1038/ngeo2071
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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