Research Press Release
暴風雨の減少によるオーストラリア東部の波の減少
Nature Climate Change
2014年3月10日
オーストラリア東部では、大気中の温室効果ガス濃度の上昇によって、4 mを超える大規模な海洋波の生じる日数が減少する可能性があるとの報告が、今週オンライン版に掲載される。この研究は、この地域の水位上昇や海岸浸食への理解を深め、予測を改善するのに役立つだろう。
中緯度域の大規模な海洋波は、主に温帯低気圧に伴う強風によって生じている。Andrew Dowdyたちは1992~2010年の観測結果を用い、暴風雨の日とそれに伴う4種類の高さ(2 m以下、2~4 m、4~6 m、6 m以上)の波事象を分析した。また、診断モデルを作製し、温帯低気圧事象で生じるような上部対流圏のさまざまな気圧条件によって、オーストラリア東部で大規模な海洋波が生じるリスクを評価した。次にこの方法を、18の異なる全球気候モデルによるこの地域の予測に適用した。Dowdyたちは、2070~2100年の高潮事象は歴史的平均に比べ、温室効果ガス排出量が中程度の場合は25%、高程度の場合は42%減少すると報告している。
また、この研究で用いられた新しい方法は、さまざまな気候モデルの結果と極めて一致していることが指摘されている。
doi:10.1038/nclimate2142
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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