Research Press Release
プラーダー・ヴィリ症候群においてIPW遺伝子が果たす重大な役割
Nature Genetics
2014年5月12日
認知機能障害、肥満などを症状とする稀少疾患であるプラーダー・ヴィリ症候群(PWS)と関連する遺伝子群について報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。今回の研究は、この疾患の原因に関する手掛かりをもたらしている。
父方から受け継いだ15番染色体上の遺伝子群の発現が抑制されると、プラーダー・ヴィリ症候群が起こる。今回、Nissim Benvenistyたちは、患者の細胞から作製された幹細胞を用いて、父方由来の遺伝子の発現が抑制されることが重要な理由を調べた。その結果、IPWという小さな遺伝子が、別の染色体の遺伝子群が正常に機能するために必要なことが分かった。この遺伝子群に関して興味深いのは、母親から受け継いだ染色体上の遺伝子群だけが活性化している点だ。
doi:10.1038/ng.2968
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
気候変動:南極海の温暖化が熱帯降雨に及ぼす影響Nature Communications
-
農業:家畜における抗生物質の使用量の増加を予測Nature Communications
-
神経科学:麻痺患者のためのリアルタイムで思考を音声に変換する装置の開発Nature Neuroscience
-
健康:アルツハイマー病における認知機能低下のバイオマーカーNature Medicine
-
医学研究:ブタから人間への肝臓移植の評価Nature
-
天文学:宇宙再電離の初期兆候Nature