NLRC4遺伝子の変異を原因とする自己炎症性症候群
Nature Genetics
2014年9月15日
2つの独立した研究によって、2種類の自己炎症性症候群が発見され、NLRC4遺伝子の変異が原因であることが分かった。自己炎症性症候群は、最近発見された疾患群で、自然免疫系の問題により全身性炎症が起こる。
NLRC4遺伝子から作られるタンパク質は、インフラマソーム(自然免疫応答で中心的な役割を果たすタンパク質複合体)を構成している。インフラマソームを構成するタンパク質の一部が変異すると、自己炎症性疾患(周期性発熱症候群ともいう)を引き起こし得る。
R Liftonたちは、重症の消化管合併症と慢性炎症を伴う新しいタイプの周期性発熱症候群を報告し、NLRC4遺伝子に生じた単一の変異がこの症候群の原因であることを示した。
一方、S Cannaたちは、Liftonたちが報告した症候群と類似するがより軽症の症候群にかかった7か月の患者について報告している。この症候群の原因は、NLRC4遺伝子に生じた別の変異であった。2つの研究グループは、それぞれの変異によって、インフラマソームが常時構成的に活性化されることを明らかにした。
また、Cannaたちは、1人の患者について、特定のサイトカイン(インフラマソームから放出されるタンパク質で、炎症を引き起こす)の作用を阻害する薬を投与することで、周期性発熱症候群の症状の大部分を軽減できたことも報告している。この結果は、NLRC4遺伝子に変異のある患者にとっての新しい治療法の可能性を示唆している。
doi:10.1038/ng.3066
doi:10.1038/ng.3089
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