Research Press Release
希少なてんかんの遺伝的原因が判明
Nature Genetics
2014年11月18日
まれな種類のてんかんである進行性ミオクローヌスてんかん(PME)を引き起こすKCNC1遺伝子の変異が見つかった。診断に役立ち、さらには治療法の改善にもつながることが期待される。
PMEは、特に体に障害を引き起こす遺伝性の発作性疾患である。今回、A-E Lehesjokiたちは、この病気の患者84名について、ゲノム中のタンパク質をコードする領域の塩基配列を解読し、これとは別の28名の患者について、KCNC1遺伝子の変異の有無を調べた。そのうち16名の患者には、KCNC1遺伝子に同じ変異が見つかった。KCNC1遺伝子がコードするのは、ニューロンの機能にとって重要なタンパク質である。また、KCNC1遺伝子の変異を持つ患者は、全員が同じ疾患の進行を示した。つまり、6~14歳で筋肉の引きつりが始まり、それが次第に悪化し、多くの症例で体に障害が起こった。患者はまた、強直間代発作(以前は「大発作」と呼ばれていた)を起こすこともあった。
doi:10.1038/ng.3144
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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