Research Press Release

【神経科学】ニコチン離脱時に不安を感じる原因

Nature Communications

2015年4月22日

このほど行われたマウスの研究で、ニコチン離脱時の不安感の引き金となる脳内経路が同定された。ニコチン離脱症状は、喫煙再開の主たる要因の1つであり、今回の研究では、禁煙を促進するための新しい治療標的が示唆されている。この研究結果の報告が、今週掲載される。

今回の研究まで、ニコチン依存症の動物モデルは、従来いわれてきた脳内の薬物依存経路に基づくものが大部分を占めていたが、最近になって脳内のストレス経路がニコチン離脱において何らかの役割を果たしているという可能性が指摘され、注目を集めている。

今回、Andrew Tapperたちは、マウスを使って、これまであまり研究されてこなかったストレス経路に的を絞った研究を行い、ストレス経路の作動を調節することでニコチン離脱による不安感を引き起こしたり、抑えたりできることを明らかにした。今回の研究では、ニコチン依存症のマウスのストレス経路を活性化する特定の分子が同定され、ニコチン離脱時の不安感を予防する新しい治療標的が示唆された。

doi:10.1038/ncomms7770

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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