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疾患の発症機序:炎症と糖尿病合併症における終末糖化産物とその受容体の役割

Nature Reviews Endocrinology

2008年5月1日

Mechanisms of Disease advanced glycation end-products and their receptor in inflammation and diabetes complications

糖尿病に起因するグルコース値の上昇は、種々の重要な生化学的メカニズムを活性化させる。すなわち、グルコース値の上昇により終末糖化産物 (AGE)の生成が促進されると、その主要なシグナル受容体、AGE 特異的受容体(一般にRAGE と略称される)を介して活性酸素種の生成が亢進し、炎症のシグナルカスケードが活性化される。このようにAGE は、糖尿病合併症の発症において主要な役割を果たしている。炎症におけるRAGE の役割に関する認識を深める知見として、RAGE には複数のリガンドが存在し、AGE だけでなく、炎症促進性のカルシウム結合蛋白であるS100 蛋白(calgranulin としても知られる)や核蛋白であるhigh mobility group protein box-1 とも結合することが報告されている。また、RAGE はT リンパ球、単球、マクロ ファージに発現しており、T リンパ球におけるRAGE の発現は、in vivo の免 疫反応における初回抗原刺激に不可欠である。本稿では、糖尿病合併症の発症におけるRAGE の役割について詳述するとともに、RAGE が炎症反応だ けでなく、1 型および2 型糖尿病の発症にも大きく関与しているという仮説を展開する。

doi: 10.1038/ncpendmet0786

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