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現代の糖尿病誘発環境における糖尿病の固定概念の見直し

Nature Reviews Endocrinology

2009年7月28日

Reappraising the stereotypes of diabetes in the modern diabetogenic environment

通常の血糖値は、インスリン分泌とインスリン作用による統合的な制御の結果である。それゆえ、古典的固定概念によれば糖尿病は2種類に分けられる: 1型糖尿病(T1DM)はインスリン分泌障害に起因し、2型糖尿病(T2DM)は主としてインスリン作用障害(インスリン抵抗性)に起因するといわれている。しかし、現在得られているエビデンスは、この見解が単純すぎるものであることを示している。インスリン分泌障害(β細胞機能不全)はT2DMの特徴の一つでもあり、インスリン抵抗性はT1DM発症のリスク因子でもある。さらに、環境因子により先進国と発展途上国においてT2DMとT1DMの発症率が上昇し、両方の臨床的・病因的特徴を有する「ハイブリッド型」糖尿病の存在が明らかになってきている。さまざまな糖尿病に共通している点は、炎症誘発環境による、自然免疫経路および炎症経路の活性化であろう。これにより、T2DMでβ細胞機能不全、T2DMとT1DMの両方でインスリン抵抗性、T1DMでβ細胞を殺す獲得免疫の促進が引き起こされる。糖尿病という症候群を全人的医療という観点からみることは、糖尿病が流行する環境基盤を理解し、予防戦略を向上させるうえで有用である。

doi: 10.1038/nrendo.2009.149

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