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脂肪異栄養症:病態生理と治療の進歩

Nature Reviews Endocrinology

2010年11月16日

Lipodystrophy pathophysiology and advances in treatment

脂肪異栄養症は、脂肪組織が完全または部分的に消失した医学的状態である。 脂肪異栄養症は、脂肪組織の解剖学的部位特異的な病的蓄積を伴い発症する場合が多い。脂肪異栄養症患者は、多くの代謝性合併症を呈しており、これは能動的な内分泌器官としての脂肪組織の重要性を示している。総量に限らず、適切な脂肪組織の貯蔵分布が、代謝状態に影響する。遺伝子および分子研究により、脂肪異栄養症の発現機序の理解を深めてきた。脂肪組織により分泌されるレプ チンやアディポネクチンなどの血中ホルモン値は、脂肪異栄養症患者の特定の亜母集団では概して低下する。この知見は、これらのアディポカイン、またはペルオキシソーム増殖剤活性化受容体γ(PPARγ)作動薬など、その血中濃度を上げる薬剤を、治療目的で使用することを合理的に説明するものである。成長ホルモンおよび成長ホルモン放出因子の使用などの新規治療法も、治療装備に加わる可能性があるものとして研究中である。研究や臨床試験で得られた新たな知見が、この治療困難な疾患の管理を大きく変える可能性がある。

doi: 10.1038/nrendo.2010.199

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