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老年認知症に関する認識の変化

Nature Reviews Neurology

2009年11月17日

Changing perspectives regarding late-life dementia

80 歳以上は人口がもっとも急速に増加している年齢層であり、世界中で老年認知症は公衆衛生上の重大な懸念となっている。老年認知症に対する有効な予防法や治療法を開発するためには、関与するすべての過程を深く理解する必要がある。ギリシャの哲学者ピタゴラスが、加齢に伴う高次認知機能の避けられない低下を記述してから何世紀もの間、悪魔の憑依に始まり、「血管の硬化」を経てアルツハイマー病(AD)まで、原因の候補をめぐるさまざまな学説がこの分野を支配してきた。現在では、皮質と海馬の萎縮が加齢に伴う認知機能低下の最良の決定因子と考えられており、このような萎縮はAD 病理、炎症、レビー小体、血管病変の併発によって生じることが最近の研究によって示唆されている。特異的な一群の遺伝的因子と環境因子(アポリポ蛋白E 遺伝子型、肥満、糖尿病、高血圧、頭部外傷、全身疾 患、閉塞性睡眠時無呼吸など)が、個々の老年の脳萎縮と認知症に関与する。80 歳以上の人で、『純粋AD』あるいは『純粋血管性認知症』を有する人はごく少数である。Dynamic polygon hypothesis として 構築されたこれらの概念は、特定の薬剤がすべての認知症高齢者に最適とはならない可能性を示すもので、臨床試験に重要。

doi: 10.1038/nrneurol.2009.175

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