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Toll 様受容体シグナル伝達経路の手引き-リウマチ専門医が知っておくべきこと

Nature Reviews Rheumatology

2008年4月29日

Primer Toll-like receptor signaling pathways—

Toll 様受容体(TLR)は、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの疾患の新たな治療標的を探求しているリウマチ専門医の注目を集めている。TLR を介したシグナル伝達は、腫瘍壊死因子やインターフェロンαなどのサイトカインを発現誘導する。各TLR とそれらの共受容体(TLR4に対するMD2 またはTLR2 に対するCD36 など)を標的とした治療戦略は、nuclear factor κB またはp38 MAP キナーゼ(p38 mitogen-activated protein kinase)などのシグナル全般の阻害に比べ、より選択的な手法であると考えられる。TLR シグナル伝達には、MyD88、Mal、TRIF、TRAM などのアダプター蛋白が必要であり、これらは特定の受容体に動員される。Mal はTLR2 およびTLR4 のみに、TRIF はTLR3 およびTLR4 に、TRAM はTLR4 のみに動員される。Mal およびTRAM は、複雑な生化学的制御を受ける。そして、Mal またはMyD88 の阻害により、滑膜組織における炎症性メディエーターの産生が阻害される。また、別の細胞内標的候補として、TLR3、TLR7、TLR9 のシグナル伝達に関与するUnc93b蛋白があげられる。TLR4、TLR7、TLR9 の阻害によって興味深い知見が得られており、TLR とそれらのシグナル伝達経路が、炎症性関節疾患の治療における新たな標的として非常に有望であることが示されている。

doi: 10.1038/ncprheum0802

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