Research Highlights
骨代謝マーカーは骨折リスクの指標となる
Nature Reviews Rheumatology
2010年3月1日
Bone Bone turnover markers indicate risk of fracture
脆弱性骨折のリスクが高い女性の特定は、骨粗鬆症の管理における課題の一つである。骨代謝の亢進は骨折の潜在 的危険因子であり、Ivaskaらは今回、骨代謝マーカー値の上昇が、約10年間の骨折リスクの上昇に関連するという証拠を示している。
Ivaskaらは、75歳の女性1,040例の標本において、ベースライン時およびベースラインから1年後に、7つの骨代謝マーカーの値を測定した。平均9年の追跡期間に、35%の 女性が1回以上骨折(種類は問わず)した。ベースライン時に、血清酒石酸耐性酸性ホスファターゼ5b(S-TRACP5b)の濃度、I 型コラーゲンC末端テロペプチド(S-CTX-I)の血清中濃度、尿中オステオカルシン中央部断片の濃度が高かったことは、股関節骨折を除く全種類の骨折リスクの上昇に関連した(ハザード比/SDはそれぞれ1.16、1.13、1.08)。骨形成マーカーの値は骨折リスクに関連していなかった。
ベースラインの測定から1年後の評価時には、S-TRACP5bおよびS-CTX-Iの高値が、再度骨折リスクの上昇に関連していた。ベースライン時と1年後の測定値の平均は、骨折 の予測という点で同様の結果をもたらした。
骨代謝マーカーは主に、追跡期間の開始時に起こった骨折に関連していた。このような関連は、椎体骨折において特に強く、その予測能力は5年以上持続した。
doi: 10.1038/nrrheum.2010.13