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骨免疫学と免疫系が骨に及ぼす影響

Nature Reviews Rheumatology

2009年11月3日

Osteoimmunology and the effects of the immune system on bone

関節リウマチに関連した骨破壊の病態形成では、滑膜が免疫細胞と骨格系細胞の活発な相互作用の部位であり、骨免疫学分野においてT細胞と破骨細胞の相互作用はきわめて重要である。インターロイキン-17を産生するヘルパーT細胞が、滑膜細胞でreceptor activator of nuclear factor κB ligand(RANKL)の発現を誘導し、この因子が炎症性サイトカインとともに骨を吸収する破骨細胞の分化と活性化を刺激する、という説を支持するエビデンスが蓄積されつつある。サイトカインを介した細胞間相互作用の他にも、免疫系と骨格系は、転写因子やシグナル伝達分子や膜受容体などのさまざまな分子を共有している。破骨細胞における細胞内シグナル伝達機構の研究によって、骨代謝の制御には多数の免疫調節分子が関与することが明らかになっている。骨格系細胞による免疫細胞の制御は、骨髄が免疫系のきわめて重要な部分であるという新たな概念を示唆しており、骨免疫学の研究分野の新しい目玉である。骨免疫学という新しい分野は、抗リウマチ薬(抗サイトカイン生物学的製剤など)の作用機序の理解を 深めるために重要であるとともに、リウマチ性疾患に対する新たな治療戦略の開発に寄与する。

doi: 10.1038/nrrheum.2009.217

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