Review

シェーグレン症候群の発症および遷延化の機序

Nature Reviews Rheumatology

2010年8月3日

Pathogenetic mechanisms in the initiation and perpetuation of Sjögren's syndrome

シェーグレン症候群(SS)は慢性の自己免疫疾患であり、特に外分泌腺の機能が障害される。外分泌腺病変では、腺管を囲んで分泌単位に置き換わる限局性の単核球浸潤が特徴的である。この自己免疫性外分泌腺症の発症機序はまだ十分に解明されていない。遺伝的素因をもつ人では、自己抗原曝露がみられる免疫学的に活性な、またはアポトーシスを起こした腺上皮細胞が自己免疫性組織障害を誘発する可能性がある。I 型インターフェロン調節遺伝子の発現増加、B細胞活性化因子の異常発現、インターロイキン-23-17 型ヘルパーT細胞経路の活性化など、さまざまな免疫メディエーターの変化が報告されている。外分泌腺障害を招く病的過程が腺上皮周囲および上皮以 外の組織にまで及ぶと、ほとんどの患者は肺、肝臓、腎臓を障害する全身所見を呈するようになる。これらの症状はリンパ球浸潤または免疫複合体による過程、あるいはその両方の結果で生じ、末梢ニューロパチーまたは糸球体腎炎(または両方)と合併する皮膚血管炎として現れる。全身性腺上皮外症状を有する患者は補体成分C4と混合性 II型クリオグロブリンの血清濃度が低く、非ホジキンリンパ腫の発症リスクが増加し、そのため腺上皮外症状が認められない患者よりも全体的に予後不良で死亡率が高いことを反映している。

doi: 10.1038/nrrheum.2010.118

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