Review Highlight
関節リウマチにおける新たなMRI法
Nature Reviews Rheumatology
2010年11月2日
Emerging MRI methods in rheumatoid arthritis
関節リウマチ(RA)患者における滑膜増生、骨病変、軟骨変性の解剖学的変化だけでなく、これらを引き起こす生理的活性を検出するために、新たなMRI法が開発されている。これにより、疾患活動性の結果として、または治療に反応して生じる滑膜、骨、軟骨の変化の速度を推定することができる。骨びらんの前駆状態にあるRAの典型的なMRI徴候は、滑膜炎、骨髄浮腫、軟骨下嚢胞形成などである。滑膜炎は、T2強調像、ダイナミック造影MRI、または拡散テンソルイメージングによって評価することが可能である。骨髄浮腫は、short-tau inversion recoveryまたはT2強調高速スピンエコー法のような、液体に対して高感度のシーケンスで検出される。骨びらん初 期の小さなびらんに対するT1強調MRIの検出感度は、CTと同等である。明らかな形態的変化の前に発生する、軟骨成分の潜在的な病的変化を定量的に評価するために、数多くのMRI法が開発されている。本レビューでは、MRI分野の進歩と新たな方向性を、RAでの開発と応用の現状に重点を置きながら概説する。
doi: 10.1038/nrrheum.2010.173