Primer
思春期特発性側彎症
Nature Reviews Disease Primers
2015年9月24日
Adolescent idiopathic scoliosis
思春期特発性側彎症(AIS)は最もよく見られる構造的な脊椎の奇形で、X線上の側彎コブ角(脊柱彎曲の尺度)が10度以上ある場合と定義されている。AISは思春期早期の1~4%が罹患し、若年男性より若年女性によく見られる。この奇形は健常人にも認められ、現在のところ原因は不明である。この数十年の間、AISの臨床パターンと三次元病理解剖学の理解に大きな進歩があった。限定的な根拠に基づく研究に支持されたバイオメカニクスとテクノロジーの発展とそれらの臨床応用によって、外科的および非外科的治療の安全性と転帰が改善された。しかし、AISの基礎にある確かな病因論および病因病原的な機序は不明なままである。したがって、AISの予防法および根本的な原因に対する治療法のいずれもが、現在のところ存在しない。
PrimeView
思春期特発性側彎症(AIS)は、思春期急成長期に起こる脊椎のC字状側彎またはS字状側彎である。このPrimeViewでは、コブ角測定によるAISの診断法および考え得るこの奇形の発症機序が明示されている。
本Primerの図解サマリー
doi: 10.1038/nrdp.2015.30