Primer
腎臓結石
Nature Reviews Disease Primers
2016年2月25日
Kidney stones
腎臓結石は腎杯と腎盂に見られる鉱質沈着物であり、腎乳頭に付着するものと自由に移動するものがある。腎臓結石には結晶成分と有機成分が含まれ、尿中の鉱質が過飽和になると形成される。ほとんどの結石の主成分はシュウ酸カルシウムであり、その多くが腎乳頭表面上に存在するランダルプラークと呼ばれるリン酸カルシウムの基盤上に形成される。腎臓結石の罹患率は高く、最大で14.8%にもなり、かつ増加傾向にある。さらに、結石の初発から5年以内の再発率は50%にも上る。肥満、糖尿病、高血圧およびメタボリックシンドロームは、結石形成のリスク因子と考えられており、結石が形成されると高血圧、慢性腎臓病および末期腎不全を来すことがある。結石開腹手術から低侵襲性泌尿器内視鏡治療へと、症候性腎臓結石の管理法が進歩したことにより、罹患率が低下し、無結石率とQOLが改善された。再発予防には、結石の種類に応じた薬物治療に加えて行動的および栄養学的介入が行われる。再発予防の必要性が高いことから、より有効な薬剤の開発を進めるために、結石の形成機構をより深く理解する必要がある。
PrimeView
このPrimeViewでは、尿中の特定の鉱質が過飽和になると形成される腎臓結石の外科的介入について取りまとめる。
本Primerの図解サマリー
doi: 10.1038/nrdp.2016.8