Primer
慢性腎臓病
Nature Reviews Disease Primers
2017年11月23日
Chronic kidney disease
慢性腎臓病(CKD)は、持続する尿異常、腎形態異常または腎排泄機能障害の存在により定義され、機能性ネフロンの減少が関連すると考えられている。CKD患者の大多数は心血管リスクと死亡リスクが上昇している。末期腎不全に進展した患者でも腎代替療法が利用できない地域が、世界に多くあることが問題になっている。CKDの発症および進行のリスク因子として、出生時の低ネフロン数、加齢によるネフロン数の減少、毒性曝露や2型糖尿病などの原因疾患による急性または慢性腎損傷などが挙げられる。CKD患者の管理では、早期の発見と予防が大切であるが、可能であれば、ネフロン数の減少がさらに進む二次過程への進行とそれに要する治療を回避するために、根本原因の治療も重要視される。血圧管理、レニン-アンジオテンシン系の抑制および疾患特異的介入が治療の基本となる。貧血、代謝性アシドーシス、二次性副甲状腺機能亢進症などのCKD合併症は、心血管健康やQOLに影響を及ぼすため、これらの診断と治療が必要になる。
PrimeView
慢性腎臓病は、機能性ネフロン数の減少につながる多くの要因によって発症すると考えられている。このPrimeViewでは、増加傾向にあるこのよく見られる疾患の主要な特徴について取りまとめる。
本Primerの図解サマリー
doi: 10.1038/nrdp.2017.88