Volume 417 Number 6891

News & Views

ゲノムの構造:一緒に転写

Genome organization: Teamed up for transcription p.797

細菌のゲノムでは、機能的に関連のある遺伝子がクラスター状にまとまって、一つの単位として調節を受けていることが多い。普通、このような「オペロン」が動物で見つかることはない。では、線虫類だけにオペロンが大量に存在するのはどういうわけなのだろうか。

doi: 10.1038/417797a

天文学:星雲が漠然とした形状であることの説明

Astronomy: Nebulous explanation p.798

ガスと塵でできた惑星状星雲は赤色巨星から形成され、球体とは到底言えないような形状をしているのが普通だ。その原因が、ある赤色巨星におけるガスの分布が変化する過程の観測によって明らかにされた。

doi: 10.1038/417798a

生理学:ハートのエース

Physiology: Two ACEs and a heart p.799

先進国では、心臓血管疾患は主要死因のかなりの部分を占めている。心臓の機能に影響を与える酵素が新たに発見されたことで、心臓病に関して新しい知見が得られる可能性が出てきた。

doi: 10.1038/417799a

動物学:古い骨格から新種のクジラ

Zoology: New whale from old bones p.801

クジラ目の動物で、現存している新種が認められるのは稀なことだ。しかし、博物館に保存されていた標本のDNA分析から、オオギハクジラの一種となるMesoplodon perriniが新登場したのである。

doi: 10.1038/417801a

半導体技術:インプリンティングによるムーアの法則の延命

Semiconductor technology: Imprints offer Moore p.802

フォトリソグラフィーによってチップ部品の小型化を図るのが高コストであるため、ムーアの法則がまもなく通用しなくなる可能性がある。ところが、このほど発表された新しいインプリンティング技術を使えば、10ナノメートルという小さな構造でも再現でき、その結果、ムーアの法則は通用し続けるかもしれない。

doi: 10.1038/417802a

神経生物学:行動の結果を理解する

Neurobiology: Understanding the consequences p.803

ヒトの学習方法にはいくつかのものがあるが、その1つは行動とその結果を連想することだ。海生軟体類に関する研究では、この動物が咀嚼行動と食物との間に結びつきを形成する過程について明らかにされている。

doi: 10.1038/417803a

光学顕微鏡:回折限界を超える?

Light microscopy: Beyond the diffraction limit? p.806

光の波動性は、回折に表われ、このために分子の位置の決定作業が妨げられる。顕微鏡技術を巧妙に用いた方法が発表されたが、これで「回折限界」を超えられるかもしれない。

doi: 10.1038/417806a

構造生物学:分子の中のプロペラ構造

Structural biology: A molecular propeller p.807

テロメアは、タンパク質とDNAからなる構造で染色体の末端を守っている。ヒトのテロメアDNAの、K+イオンと結合して作られた四重鎖の結晶構造は、抗ガン剤のデザインに影響を与えるものだ。

doi: 10.1038/417807a

Article

医学:アンギオテンシン変換酵素2は心臓の機能に不可欠な調節因子である

Angiotensin-converting enzyme 2 is an essential regulator of heart function p.822

doi: 10.1038/nature00786

Letters

宇宙:漸近巨星分枝(AGB)星からの分子ガスからなる細長く絞られたジェット

A collimated jet of molecular gas from a star on the asymptotic giant branch p.829

doi: 10.1038/nature00788

物性:重いフェルミ金属URu2Si2の隠れた軌道秩序

Hidden orbital order in the heavy fermion metal URu2Si2 p.831

doi: 10.1038/nature00795

工学:ナノ構造を超高速でシリコンに直接インプリンティングする

Ultrafast and direct imprint of nanostructures in silicon p.835

doi: 10.1038/nature00792

地球:沈み込み帯での角閃岩の融解に支配された初期大陸地殻の成長

Growth of early continental crust controlled by melting of amphibolite in subduction zones p.837

doi: 10.1038/nature00799

進化:方解石の骨格をもつ化石で対になった鰓裂が見つかった

Paired gill slits in a fossil with a calcite skeleton p.841

doi: 10.1038/nature00805

生態:高山植物どうしのプラスの相互作用はストレスが増すと増大する

Positive interactions among alpine plants increase with stress p.844

doi: 10.1038/nature00812

生態:消費者と資源は種多様性および生態系の機能を制御する

Consumer versus resource control of species diversity and ecosystem functioning p.848

doi: 10.1038/nature00830

遺伝:線虫Caenorhabditis elegansの全オペロン解析

A global analysis of Caenorhabditis elegans operons p.851

doi: 10.1038/nature00831

神経:再構築した視床回路のスパイク伝達を調節するフィードバック抑制

Feedback inhibition controls spike transfer in hybrid thalamic circuits p.854

doi: 10.1038/nature00825

生理:Na+/H+交換体調節因子2は副甲状腺ホルモン1受容体シグナル伝達を誘導する

Na+/H+exchanger regulatory factor 2 directs parathyroid hormone 1 receptor signalling p.858

doi: 10.1038/nature00816

免疫:表皮特異的IKK2欠損マウスのTNF媒介炎症性皮膚疾患

TNF-mediated inflammatory skin disease in mice with epidermis-specific deletion of IKK2 p.861

doi: 10.1038/nature00820

医学:Rac活性化因子Tiam1欠損マウスはRas誘発性の皮膚腫瘍に抵抗性を示す

Mice deficient in the Rac activator Tiam1 are resistant to Ras-induced skin tumours p.867

doi: 10.1038/nature00848

医学:Efpは14-3-3σのタンパク質分解を標的とし、乳癌の増殖を促進する

Efp targets 14-3-3 for proteolysis and promotes breast tumour growth p.871

doi: 10.1038/nature00826

細胞:ヒトテロメアDNAの平行四重鎖の結晶構造

Crystal structure of parallel quadruplexes from human telomeric DNA p.876

doi: 10.1038/nature755

Review Article

材料:新たな応用に適した秩序多孔質材料

Ordered porous materials for emerging applications p.813

doi: 10.1038/nature00785

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