Volume 425 Number 6955

News & Views

ナノテクノロジー:水の上を動くワイヤー

Nanotechnology: Wires on water p.243

材木を運ぶための何世紀も前からある技術が、ナノワイヤーを大規模で秩序だったパターンで配列させて、新世代の電子デバイスを作る基礎となる構造を作る新しい手法のヒントとなった。

doi: 10.1038/425243a

分子生物学:なくてはならないミクロRNA

Molecular biology: MicroRNA is here to stay p.244

小型のRNA分子を使ってもっと大きなRNAに結合させるという遺伝子制御法が、最初に報告されたのはもう10年以上前のことである。しかし、当時はこの現象は細胞内過程の調節には大して関わっていないだろうと考えられた。ところがそうではないことがわかってきたのである。

doi: 10.1038/425244a

電子工学:大規模化するナノテクノロジー

Electronics: Nanotechnology goes large p.244

定義からすると、ナノテクノロジーはごくごく小さなものを扱う技術である。しかし、成長する結晶半導体をナノメートル・スケールでワイヤーやリボンにする技術は、「マクロ電子工学」デバイスにも十分応用できそうなのだ。

doi: 10.1038/425244b

量子光学:単一原子が放つ秩序だった光

Quantum optics: Single atom lases orderly light p.246

単一の原子からの反復放射によって作動するレーザーは、我々が知っているレーザーとは大きく異なっている。このレーザーから発振される光ビームは、従来型のレーザーの中でもっとも静穏なものよりもさらに秩序だった光子の流れなのである。

doi: 10.1038/425246a

癌:移動のきっかけ

Cancer: Cues for migration p.247

酸素の欠乏は、ある種の癌の細胞が新しい場所へと広がる原因になる。酸素欠乏はまた、遊走性の細胞が特定の臓器を標的として移動できるようにする機構も活性化する。

doi: 10.1038/425247a

古植物学:最初の植物を捜す

Palaeobotany: Fishing for the first plants p.248

古代の岩石から有機物の残滓を取り除くことで、微小化石がふるい出された。この化石は、植物が初めて陸上に現れた年代を考える手がかりとなるものだ。

doi: 10.1038/425248a

地球気候変化:古代の大気を検証する

Global change: Probing early atmospheres p.249

地球の歴史の初期における大気条件に関する情報は、化石化した微生物の同位体組成中に隠されている。このような研究は技術的には厳しいものだが、かなりの将来性が期待できる。

doi: 10.1038/425249a

発生生物学:おたまじゃくしの尻尾

Developmental biology: A tadpole's tale p.250

ある種のカエルのオタマジャクシでは、尾が失われた場合、普通はそれを再生することができる。しかし、発生過程中には、再生が不可能な時期がある。この現象に関する研究から、再生の基盤となる分子機構に関する手がかりが得られた。

doi: 10.1038/425250a

ウイルス遺伝学:殺しは相棒と

Viral genetics: Deadly partnerships p.251

一対のウイルスゲノムが一緒に働くと、宿主をより迅速に破壊することができるのだが、その仕組みはまだわかっていない。この現象に関する研究は、遺伝系が進化した仕組みを考察する一助となりそうだ。

doi: 10.1038/425251a

Article

植物:ミクロRNAによる葉の形態形成の制御

Control of leaf morphogenesis by microRNAs p.257

doi: 10.1038/nature01958

Letters

宇宙:広範囲な星形成によって明らかにされた銀河団の楕円銀河の形成

The formation of cluster elliptical galaxies as revealed by extensive star formation p.264

doi: 10.1038/nature01976

物理:強結合領域における1原子レーザーの実証実験

Experimental realization of a one-atom laser in the regime of strong coupling p.268

doi: 10.1038/nature01974

物理:高Tc超伝導体の量子臨界挙動

Quantum critical behaviour in a high-Tc superconductor p.271

doi: 10.1038/nature01978

工学:ナノワイヤーおよびナノリボンを用いた高性能薄膜トランジスター

High-performance thin-film transistors using semiconductor nanowires and nanoribbons p.274

doi: 10.1038/nature01996

地球:個々の微化石の解析から見積もった原生代の大気の高いCO2レベル

High CO2 levels in the Proterozoic atmosphere estimated from analyses of individual microfossils p.279

doi: 10.1038/nature01902

進化:再現されたタンパク質をもとに太古の細菌の古環境を推測

Inferring the palaeoenvironment of ancient bacteria on the basis of resurrected proteins p.285

doi: 10.1038/nature01977

生態:多様な捕食者-被食者の系で見られる捕食パターン

Patterns of predation in a diverse predator?prey system p.288

doi: 10.1038/nature01934

進化:海洋植物プランクトンでは進化の過程で元素が化学量論的に継承されている

The evolutionary inheritance of elemental stoichiometry in marine phytoplankton p.291

doi: 10.1038/nature01953

生態:インド洋におけるサンゴ大量死の再発予測

Patterns of predation in a diverse predator?prey system p.294

doi: 10.1038/nature01987

発生:cdx4変異体は血液前駆細胞の指定ができないが複数のhox遺伝子によって救済される

cdx4 mutants fail to specify blood progenitors and can be rescued by multiple hox genes p.300

doi: 10.1038/nature01973

医学:ケモカイン受容体CXCR4はフォンヒッペル・リンダウ腫瘍抑制タンパク質pVHLによって抑制される

Chemokine receptor CXCR4 downregulated by von Hippel?Lindau tumour suppressor pVHL p.307

doi: 10.1038/nature01874

細胞:BTBタンパク質MEL-26はCUL-3ユビキチンリガーゼの基質特異的アダプターである

The BTB protein MEL-26 is a substrate-specific adaptor of the CUL-3 ubiquitin-ligase p.311

doi: 10.1038/nature01959

生化学:BTBタンパク質はCUL-3を含むSCF類似のモジュール型ユビキチンリガーゼの基質特異的アダプターである

BTB proteins are substrate-specific adaptors in an SCF-like modular ubiquitin ligase containing CUL-3 p.316

doi: 10.1038/nature01985

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