Nature ハイライト

Cover Story:転移のマッピング:がんの転移能を捉える花弁図

Nature 588, 7837

がんによる死亡の大半は、腫瘍が転移によって体の二次的部位に広がることに関連しているが、この過程の根底にある生物学的性質に関する知識には、まだかなりの欠落がある。今回T Golubたちは、ヒトのがん細胞株の転移能の決定に使えるバーコードシステム「MetMap」について報告している。このシステムは、21種類の固形がんを代表する500のがん細胞株の解析に基づいている。彼らは解析の結果から、表紙のイラストのような、転移パターンに関連した花弁図(petal plot)を作製した。著者たちはさらに、このマップを用いて、脳に転移する乳がんを評価し、この過程が脂質代謝の変化と関連しており、将来の治療標的となる可能性があることを見いだしている。

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