Nature ハイライト
コロナウイルス:COVID-19重症患者では単球のISG群誘導が障害されている
Nature 591, 7848
A Combesたちは今回、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の軽症患者が全ての細胞集団にわたり、インターフェロン誘導遺伝子(ISG)群の協調的な発現パターンを示すのに対し、重症患者ではこれらのISG発現細胞が全身的に欠如していることを示している。COVID-19重症患者では、抗体価の高い抗重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)抗体が産生され、軽症患者と比べてウイルス量が低かった。Fc受容体を阻害するとISGの誘導が回復したことから、重症患者の血清中に存在する抗体がFc受容体シグナル伝達を引き起こし、これがインターフェロンα受容体(IFNAR)結合後の転写応答を阻害することが示唆された。
2021年3月4日号の Nature ハイライト
量子情報:フォトニック量子コンピューティング向けのプログラマブル・ナノフォトニックチップ
光物理学:モアレポラリトン
地球科学:粒界での応力誘起アモルファス化が引き金となるマントル変形
進化学:ダイアウルフとハイイロオオカミの間に遺伝子流動はなかった
遺伝学:COVID-19の重篤疾患に関連する遺伝的座位
神経科学:脳空間を再構築する
コロナウイルス:COVID-19重症患者では単球のISG群誘導が障害されている
生化学:溶解性細胞死におけるNINJ1の役割
生物物理学:相分離した細胞内液体のオートファジー
生化学:細胞内でタンパク質の反応速度論的性質を測定する
構造生物学:明らかになったクエン酸輸送機構