Nature ハイライト
天体物理学:銀河団Abell 3376の磁場で屈曲したジェット
Nature 593, 7857
銀河団には磁場が存在しているが、こうした磁場が及ぼす大規模な影響はよく分かっていない。銀河団Abell 3376のこれまでの電波画像では、2番目に明るい銀河に伴って屈曲したジェットの存在が示されているが、詳細を明らかにするには分解能と感度が不十分だった。今回J Chibuezeたちは、ミーアキャット(MeerKAT)電波望遠鏡によるこの銀河団の観測結果と数値モデルについて報告し、これらのジェットが、低温で高密度のプラズマから高温の銀河団プラズマへと変化する不連続面を通過する所で、90°の角度で屈曲していることを示している。著者たちは、不連続面でのそろった磁場が、ジェットの屈曲の原因であると結論付けている。
2021年5月6日号の Nature ハイライト
天体物理学:銀河団Abell 3376の磁場で屈曲したジェット
素粒子物理学:生き残りの機会を得た標準模型
物性物理学:黒ヒ素におけるラシュバ効果と量子ホール効果
気候科学:将来の海水準上昇予測に見られる大きな幅
生態学:アフリカ中部の森林の植物相的および機能的な組成
発生生物学:生体外でのマウスの発生
コロナウイルス:SARS-CoV-2の現在拡散中で懸念されている変異株に対する中和活性
コロナウイルス:BNT162b2ワクチンによって誘発されたSARS-CoV-2中和抗体に対するB.1.1.7変異株の感受性
コロナウイルス:回復期血漿を用いたSARS-CoV-2変異株の交差中和