Nature ハイライト
進化学:ウォーレシアの人骨から得られた古代ゲノムDNA
Nature 596, 7873
東南アジアは考古学的および古ゲノム学的記録が乏しく、この地域におけるヒト集団史の解明はなかなか進んでいない。今回A Brummたちは、インドネシア・南スラウェシ州のLeang Panninge鍾乳洞で発見された女性の骨格について行った、DNAのゲノム解析結果を報告している。この女性の骨は新石器時代以前のToaleanの埋葬跡から発見されたもので、年代は約7200年前と推定された。錐体骨から抽出したDNAから得られたゲノム規模のデータによって、このLeang Panningeの女性が属していた集団が、現代の東アジア人集団よりも近オセアニア集団に近縁であること、そして、その独特な祖先構成は現在世界のどこにも見られないことが明らかになった。
2021年8月26日号の Nature ハイライト
原子物理学:共振器QEDにおける強く結合した光と原子と分子のスープ
量子技術:トラップされた陽子の共同冷却
化学:液体水における水素結合の強化の観察
生物地球化学:炭素貯蔵庫としてのアフリカの熱帯山地林
進化学:ウォーレシアの人骨から得られた古代ゲノムDNA
政治学:コンピューター科学が市民議会の公平な代表性を保証する
神経科学:母性行動の社会的伝達
医学研究:VITT抗体によって認識されるPF4エピトープ
免疫学:STINGのリガンド非依存的な活性化を防ぐNPC1の役割
がん:がん細胞の持続生残現象の追跡
構造生物学:触媒として働くRNAのスナップショット