Nature ハイライト
コロナウイルス:COVID-19に対する宿主の遺伝的なリスク要因を解明するための世界的な取り組み
Nature 600, 7889
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の宿主遺伝学イニシアチブ(COVID-19 HGI)は、COVID-19の遺伝的基盤を調べるための情報資源の照合・共有を目的とした、オープンサイエンスの国際的な共同研究である。COVID-19 HGIは今回、19か国での46の研究に含まれるCOVID-19患者の最大4万9562人におけるゲノムワイド関連メタ解析の結果を提示している。報告されたのは、COVID-19の重篤疾患と関連する6座位、中等症から重症のCOVID-19(入院が必要)と関連する9座位、そして、原因病原体である重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染と関連する7座位で、これらには以前報告されたものも含まれている。さらなる解析では、これらの関連の基盤である可能性のある遺伝子が優先して調べられ、また、遺伝的相関解析およびメンデル無作為化解析から、COVID-19と他の疾患や形質との関係が明らかになった。
2021年12月16日号の Nature ハイライト
量子物理学:電子スピンの蛍光検出
物性物理学:低磁場における分数チャーン絶縁体
化学:簡単になった同位体標識
気候科学:巨大な西南極氷床によって説明された中新世の海水準の不可解な変動
古生物学:ラエトリの足跡はやはりヒト族のものだった
コロナウイルス:COVID-19に対する宿主の遺伝的なリスク要因を解明するための世界的な取り組み
行動科学:応用行動科学におけるメガスタディー法
計算論的神経科学:運動記憶を理解する
進化遺伝学:英国のパンデミックを再構築する
免疫学:SARS-CoV-2スパイクに対して生じるポリクローナル抗体の中和範囲
構造生物学:聴覚の分子基盤