Nature ハイライト Cover Story:DNA で折り紙:ナノスケールの形を簡単に作 り出す方法 2006年3月16日 Nature 440, 7082 DNAはプログラム可能な自己集合性をもち、しかも操作の際に多くの化学的技術を使えるため、ナノ構造体を作るための最も一般的な構築ブロックとなっている。DNAナノ材料作製に関する文献は数多く存在するが、今週号に報告された新手法は従来のおきてを破るものといえる。理屈に合わないようだが、この手法ではDNAの塩基配列設計、一本鎖の純度や濃度比はまったく無視しながらも、かつて作られたものよりも大きく複雑なDNAナノ構造体を構築できる。このワンポット法では、数百の短い一本鎖DNAを「ホチキスの針」のように使って、非常に長いDNA鎖を留め合わせ、表紙にある「ナノサイズの顔」どのようなさまざまな二次元構造を任意に作り出せる。個々の留め金を変えてナノメートルスケールの画素を作り、100 nm程度の形の表面パターン(アメリカの地図や雪の結晶など)を描いたり、組み合わせによって六角形や三角形などのより大きな構造を形作ったりすることも可能だ[Article p.297; News and Views p.283; nature.com/podcast]。 2006年3月16日号の Nature ハイライト 進化:羽毛恐竜の仲間なのに羽毛のない恐竜 宇宙:銀河系にもあった「DNA」のような二重らせん 構造生物学:ホタルの色の秘密に光 医学:アルツハイマー病初期の徴候 物理:3つ一緒でも手はつながない 生態:生物保全活動の費用対効果を最大にするには 目次へ戻る