Nature ハイライト

Cover Story:荒れ狂う雄:牙の成長の記録から明らかになった雄のマンモスにおけるテストステロンの急増

Nature 617, 7961

ロシア・ウランゲリ島で発見されたケナガマンモスの牙、歯および骨。
ロシア・ウランゲリ島で発見されたケナガマンモスの牙、歯および骨。 | 拡大する

Credit: Photo by Alexei Tikhonov

表紙は、2頭の雄マンモスが闘っている姿の想像図である。成熟した雄のゾウは、「マスト」と呼ばれる発情期の発現中、交尾のための攻撃や競争と関連したテストステロンレベルの上昇を経験する。今回M Cherneyたちは、雄のケナガマンモス(Mammuthus primigenius)にも、同様にマストの発現が見られたことを示している。著者たちは、象牙質の層から成長の記録が得られる牙に着目した。そして、液体クロマトグラフィーとタンデム質量分析法を使い、現生のゾウと有史以前のマンモスの牙から得られた象牙質を用いることで、ホルモンの記録の再構築が可能になった。得られた結果からは、雄のマンモスにも、雄のアフリカゾウの記録に見られるマストに伴うテストステロンの変動と同様の変動が見られることが明らかになった。

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