Nature ハイライト

Cover Story:社会的な絆:優先順位の変化がキンカチョウの脳のドーパミン報酬系の動的な再同調を促進する

Nature 623, 7986

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Credit: jamezwuz / iStock / Getty Images Plus

飢え、渇き、孤独、野心の全てが、私たちが食料、水、社会的相互作用、自身のパフォーマンス結果をどの程度高く評価するかの決定に役割を果たしている。報酬が得られた瞬間、神経伝達物質ドーパミンが大量に脳に放出されるが、こうしたドーパミンシグナルが、個体の優先順位が変わる際にどのように変化するかはまだよく分かっていない。今回J Goldbergたちは、雄のキンカチョウ(Taeniopygia guttata;表紙写真)で、水分摂取、さえずりの評価、求愛などの行動をしている際のドーパミンシグナルの変化を調べている。その結果、ドーパミン応答は、その時の優先順位に基づいて動的に調節されることが見いだされた。例えば、雌への求愛に集中しているときには、水への欲求が低下し、水とさえずりのパフォーマンスの両方に対するドーパミン応答が弱まった。その代わり、雄のドーパミンシグナルは、雌からの社会的フィードバックによって駆動された。重要なのは、雌に駆動されるドーパミン放出が、社会的コミュニケーションに充てられた雄の脳の一部に特異的に観測されたことであり、これによって求愛時の社会的報酬シグナルの新たな特異性と優先順位が明らかになった。

2023年11月9日号の Nature ハイライト

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