Nature ハイライト
Cover Story:脳の地図:マウスの脳全体の高分解能細胞アトラスから得られた、ゲノム、エピジェネティクス、構造に関する知見
Nature 624, 7991
今週号では、BRAINイニシアチブ細胞センサスネットワーク(BICCN)の共同研究者たちが、マウス脳全体をこれまでになく詳細にマッピングしたことを、9報の論文で報告している。H Zeng、X Zhuang、E Macoskoたちによる3報の論文では、マウス全脳のトランスクリプトーム空間細胞アトラスが報告され、数千種の細胞タイプの分子的シグネチャー、空間的構成、細胞間相互作用が図示されている(X Wangたちによる以前の関連論文でも、脳内の細胞タイプの構造が調べられていた)。E Callaway、J Ecker、Z Heたちによる2報の論文では、ニューロンのアイデンティティーとニューロンが軸索を伸ばす場所の関連性が調べられている。また、B RenとJ Eckerたちによる3報の論文では、マウス脳のエピジェネティック地形が調べられ、さまざまな細胞タイプの調節エレメントが検討されている。さらに、K ShekherとJ Sanesたちの論文では、17種の脊椎動物の単一細胞RNA塩基配列データを用いて、網膜における細胞タイプの進化が調べられている。
2023年12月14日号の Nature ハイライト
惑星科学:低温の褐色矮星大気に検出された14NH3と15NH3
計測学:カー非線形性を利用した光周波数コムの安定化
物性物理学:画像化されたグラフェンのミリテスラ疑磁場
フォトニクス:グラフェンを用いたモアレ・ナノレーザーアレイ
太陽電池:SAMによる逆型ペロブスカイト太陽電池の高効率化と安定化
材料科学:バイオエレクトロニクス向けの水応答性の超収縮性ポリマーフィルム
材料科学:応力分散でゴムの疲労しきい値を高める
環境社会科学:気候政策のシナリオに影響を及ぼす要因
がん:悪性腫瘍から分泌されて腎不全を引き起こす抗利尿ペプチド
免疫学:FOXP3が2つのDNA分子を橋渡しする「はしご」構造
免疫学:リポ多糖類で活性化されたカスパーゼ-4の標的
免疫学:サイトカインpro-IL-18の切断はカスパーゼ-4が行っている