Nature ハイライト
Cover Story:位置を「聞く」:魚類が水中の音源の位置を特定する方法
Nature 631, 8019
獲物を探す上でも、捕食者を避ける上でも、多くの脊椎動物にとって音は生存のカギとなる。陸上では、音の方向は、左右の耳で感知される音の時間遅延と強度差から容易に決定できる。しかし水中では、音の方向を決定するのははるかに難しい。今回B Judkewitzたちは、魚類がどのようにしてこの偉業を成し遂げるのかを明らかにしている。彼らは、小型で透明な魚であるDanionella cerebrum(表紙の画像はその染色標本)を使って、水中の圧力と粒子運動を慎重に制御して、この魚の体内で音によって引き起こされる振動を画像化した。その結果、いくつかの仮説のうちの1つとして考えられているように、この魚は、圧力と粒子運動の信号を比較し、音源の方向を判定していることが分かった。
2024年7月4日号の Nature ハイライト
天文学:太陽近傍の若い星団はその過半数が3つの星形成領域を起源とする
LED:性能を大幅に向上させた赤色発光ペロブスカイトLED
有機化学:ピリミジンを開環して他の含窒素環に変換する
気候科学:過去2000年で比類のない2023年夏の暑さ
大気化学:大気中の新粒子生成機構の全球マッピング
地震学:断層ネットワークの形状が影響を与える地震の摩擦的振る舞い
生態系生態学:干ばつに対するアマゾンの森林の多様な応答の解明
進化学:ゲノムでたどるマラリアの歴史
遺伝学:約90万人の女性におけるX染色体のモザイク喪失の研究
神経発生:複数ドナーに由来するヒト脳オルガノイドモデル
神経科学:脊髄損傷の四次元単一細胞マルチオームアトラス
植物科学:マメ科植物の窒素固定を亜鉛が制御
発生生物学:in vitroでヒト生殖細胞を大量に作製する戦略
社会科学:米国ではワクチン接種会場への無料送迎は接種率増加に寄与しない
医学研究:健康な人へのSARS-CoV-2チャレンジ試験
微生物学:細菌が多様なグリカンを分解するのに用いる代替経路
分子生物学:転写の全体像や細胞周期の動態解明に役立つscGRO–seq法
構造生物学:ガイドpegRNAと結合したCas9の構造
構造生物学:高分解能で明らかになった呼吸鎖超複合体のin situ構造