Nature ハイライト

Cover Story:位置を「聞く」:魚類が水中の音源の位置を特定する方法

Nature 631, 8019

獲物を探す上でも、捕食者を避ける上でも、多くの脊椎動物にとって音は生存のカギとなる。陸上では、音の方向は、左右の耳で感知される音の時間遅延と強度差から容易に決定できる。しかし水中では、音の方向を決定するのははるかに難しい。今回B Judkewitzたちは、魚類がどのようにしてこの偉業を成し遂げるのかを明らかにしている。彼らは、小型で透明な魚であるDanionella cerebrum(表紙の画像はその染色標本)を使って、水中の圧力と粒子運動を慎重に制御して、この魚の体内で音によって引き起こされる振動を画像化した。その結果、いくつかの仮説のうちの1つとして考えられているように、この魚は、圧力と粒子運動の信号を比較し、音源の方向を判定していることが分かった。

2024年7月4日号の Nature ハイライト

目次へ戻る

プライバシーマーク制度