Nature ハイライト

細胞:BAK1は植物免疫へのもう1つの入り口

Nature 448, 7152

植物には、動物のステロイドホルモンに似た構造をもつさまざまなステロイドやステロールが含まれるが、研究が重ねられた結果、ブラシノステロイドは植物の必須ホルモンの1つとして広く認められるようになった。BRI1受容体とその補助受容体BAK1によるブラシノステロイドの認識が、このホルモン経路の要である。しかし、BAK1に全く思いもかけなかった別の機能があることがわかったことで、問題は複雑になりそうだ。自然免疫にかかわる受容体FLS2が、そのリガンドであるフラジェリンによる刺激を受けると、BAK1がFLS2と特異的に結合することがわかったのである。bak1遺伝子に変異のあるシロイヌナズナでは、自然免疫応答が著しく弱くなる。つまりBAK1は、発生と自然免疫の双方でそれぞれ異なる役割をもつらしく、これはショウジョウバエでよく知られているTOLL受容体の場合と同じである。

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